2013年2月19日火曜日

適正包装の基礎知識(4)

今回は、緩衝材の特性についてです。

適正包装を施す上で、緩衝材の特性も得ることが必要です。
壊れやすい製品は”たくさん”の緩衝材が必要ですし、壊れにくければ”少し”の緩衝材を利用することが、コスト面でも有効でしょう。

さて、”たくさん”とか、”少し”といわれても具体的ではありませんので、ここでは緩衝材特性を確認することで、具体的数値として適切な緩衝材条件を得ることについて述べます。
ここでの緩衝材特性とは、静的応力-最大加速度、最大変位の曲線を指します。
この図は横軸に静的応力(緩衝材の単位面積あたりにかかる力→落下させる錘と試験する緩衝材の面積の関係で得られる)と、縦軸には緩衝材にある落下高さから錘を落下させたときに錘に発生する最大加速度を取っています。

静的応力-最大加速度曲線はクッションカーブとも呼ばれています。
また、もう1つの評価指標として、緩衝係数曲線(最大応力-緩衝係数)もあります。
これらを得る方法については、以前紹介したJIS-Z-0235に具体的方法が規定されています。

このカーブが得られれば、

①製品の許容加速度(適正包装の基礎知識(3)参照)
②包装貨物落下試験の試験高さ(≒物流時に想定される落下高さと同義、適正包装の基礎知識(2)参照)

から、使用する緩衝材において最適な受け面積と厚みが計算できることになります。
詳細内容はこちらより、緩衝包装設計入門※をご参照下さい。
※閲覧する場合は、ID/PASSが必要です。お持ちで無い方はこちらよりお問合せ下さい。(無料)

以上より、輸送する製品の強度、実際の物流環境、緩衝材特性の3つのパラメータを具体的数値化できました。

包装設計後に最終確認評価試験として、包装評価試験(JIS-Z-0200に該当、落下試験、振動試験、圧縮試験など)をパスすれば、完了です。

川口