2014年3月31日月曜日

物流ハザードについて


物流過程は包装貨物にとって、様々なハザード(製品、外装に不具合を起こす原因)が発生していることは周知の事実です。

包装貨物は、出荷から目的地まで届けられる際、大きく分別すると、輸送、荷役、保管の過程を経ることになると思います。

輸送とは、物体をある場所からほかの場所へ移動させることで、たとえばトラック、船、鉄道、航空機などが使われます。
この輸送時には、必ず振動が発生しており、内容品の疲労破損や擦れなどの原因になります。

荷役とは、たとえば物流倉庫などにトラックがついたときの次のステップとして貨物を荷降し、再積み込みなどのことで、人が手でオペレートすることもあるし、パレット単位での包装系だと、フォークリフトなどが使われます。その他、ベルトコンベアなどで荷捌きされたりするときもこれに含まれます。

ここでは、振動よりも大きな衝撃事象が発生しやすくなります。たとえば荷降ろし時に貨物を誤って落としてしまったり、倒してしまったりということです。
これにより、内容品が割れたり、凹みが発生したりということになります。

保管とは、倉庫内で包装貨物を保管するときのことで、段積みされて保管されると、最下段の貨物にはその上の静的圧縮が長期的に加わります。
貨物の胴膨れ、荷崩れなどの原因となります。

まとめると、包装貨物は工場から出荷される際、工場→倉庫→目的地の場合には以下のようなステップになります。

 荷役→輸送→荷役→保管→荷役→輸送→荷役
(工場出)    (倉庫着) (倉庫出)     (目的地着)

このときのハザードとしては、下記が遭遇する可能性があります。

落下→振動→落下→圧縮→落下→振動→落下

上記のようなハザードが発生したとしても、製品は安全に目的地まで運ばれなければなりません。
これらは一般に包装でカバー※されており、事前に包装貨物評価試験でその緩衝性、防振性、圧縮強度を確認する必要があります。

※理想的には、物流側のハザード低減活動、製品強度設計の見直しなど、包装だけでなく、トータル的に取り組むことができれば良いですが、現実的には包装がカバーしている部分が多いと思います。


2014年3月24日月曜日

あまり関係ない話2014


輸送包装とは関係がない話ですが、NHKの凄ワザという番組で弊社落下試験機(緩衝材用試験装置の改良モデル)が出ます。

http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/shiryou/soukyoku/2014/01/001.pdf

本装置の本来の目的は、指定の重錘を緩衝材に落下させることにより、緩衝材料の動的特性を得るための装置です。
番組内での用途とは全く別ですが、装置の動作自体は同じですので、ご興味あれば見てください。

番組タイトル:超絶 凄ワザ!

放送日:4月 3日(木)22:55~23:20
     4月10日(木)22:55~23:20

川口

2014年3月14日金曜日

ランダム振動試験のためのPSD取得方法


振動試験には主に正弦波、スイープ、ランダムがあり、ランダム振動試験にはPSDが必要となります。

包装貨物試験のためのランダム振動試験を行うとき、より実態の輸送モードに近い振動を再現させようとする取り組みがあります。

例えば一般的にはトラック荷台上などで発生する実際の加速度波形を記録し、そのデータを振動試験に利用するなどです。

ここでは、PSD解析のための振動データ計測の考え方について述べます。

改めて、PSDとは、時系列加速度波形から解析されます。

このとき得られるPSDの周波数範囲、分解能は、この時系列加速度波形の収集方法に依存します。

PSDの下限周波数(一番低い周波数)は、1つの波形をどのくらいの長さで加速度波形を収集するかに関係し、上限周波数(一番高い周波数)は、加速度瞬時値のサンプリング間隔に影響されます。

例えば、加速度瞬時値のサンプリング間隔が1(ミリ秒)、1波形の時間間隔を2(秒)とすると、得られるPSDの周波数範囲は、0.5Hz~500Hzとなります。

下限周波数fminは時間の逆数なので、fmin=1/T=1/2=0.5Hz、
上限周波数はサンプリング定理より、fmax=1000/2=500Hzになります。

以上、PSDで周波数範囲が決められている場合は、どのような条件で加速度波形を計測するかに注意が必要です。

このような輸送時の振動解析を行う記録計はこちら

川口

2014年3月7日金曜日

2014年度輸送包装セミナー年間計画


2013年度の輸送包装セミナーを振り返りたいと思います。

開催日、場所、実参加人数(募集人数)
6/5、東京、22名(20名)
7/25、神戸大、49名(30名)
11/7、東京、40名(40名)
12/5、名古屋、54名(50名)
'14/1/24、神戸、27名(20名)

上記のような結果となりました。

すべて募集人数以上の方々にご参加いただくことができ、改めて御礼申し上げます。
また今期は積極的に外部から講師をお招きしてのセミナー開催しており、ご協力いただいた講師の方々にも心より感謝いたします。

反省点を挙げるとすると、開催場所がある程度固定されているところがありますので、この辺りを広げていくことが課題かと思います。

さて、来期2014年度輸送包装セミナーが確定しました。
詳細はこちらをご参照ください。
昨年の課題を受けて、仙台にも初チャレンジしたいと考えています。

まず、5/9(金)東京セミナーを本日から受付開始しています。
輸送環境調査の基礎と実務をテーマに掲げ、TSK様にゲスト講師をお願いしています。

ご興味ある方はお申し込みください。

7月以降も準備ができ次第、順次案内していきます。

川口

2014年3月2日日曜日

輸送事故事例の再現試験例


包装貨物こすれ再現試験動画です。

パウチ包装品のピンホール再現試験事例もありましたが、上手くリンクできませんでした。

このような輸送事故再現試験のまとめサイトがあれば良いですね。
輸送包装コミュニティで検討しようかな、とも思います。

今回は短いですが以上です。

川口