2012年10月29日月曜日

適正包装の基礎知識(2)

前回、輸送包装における適正包装実現のためには、以下の情報が必要ということを述べました。

・流通過程の外力把握
・物品の価値・状態の数値化
・緩衝材特性
・包装仕様の最終評価

ここでは、具体的にそれらパラメータがどのような関係性があるかを見ていきます。

まず、流通過程の外力把握ということですが、これらを把握する目的は、包装評価試験基準の適正化(言い換えると、物流実態の再現)をすることにあります。

たとえば、包装貨物落下試験で、JIS-Z-0200包装貨物評価試験通則では、落下高さ80cm、1角3稜6面(質量10kg以下、Level1の場合)と規定されています。しかし、この試験基準が実際の物流環境に沿った試験条件か、となると、疑問を持つ人も少なくないのでは?

そこで、実際の物流環境ハザードを取得し、それらを基にして、試験基準を決めましょうということが、ここで言いたいことです。

これまで80cmで試験していた場合、実測データからは60cmで充分、と判断された場合には、その20cm分で包装をさらに合理化(緩衝材コストダウンなど)することが期待できます。

このとき、利用される計測器が輸送環境記録計と呼ばれるものです。これは3軸加速度センサ、温湿度センサが内蔵されたデータレコーダーで、物流中に発生する振動や衝撃、温湿度の変化を捉えることが出来ます。
ここで得られたデータを加工し、包装貨物試験基準(落下高さ、PSD)を設定することになります。

上記、「言うは易し」なのですが、少しでも上記に関する情報を提供していきたいと考え、セミナーを実施します。
詳細はこちら

次回は、物品の価値・状態の数値化について触れたいと思います。

川口

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