2014年1月27日月曜日

緩衝材料の特性① クッションカーブの使い方


同じテーマで前回書いたかもしれませんが、同じ内容でも別の方向から、または他の表現で記事を残すことも、ブログを見ていただいている方々(或いは自分時自身)の理解度UPに貢献する意味のあることかもしれない。と思いまして、また包装用緩衝材について書きます。
(新しいテーマが見当たらないということが主な理由ですが、、、)

さて、緩衝包装設計を行う場合には、製品の損傷数値(許容加速度)とともに、緩衝材料の特性を知る必要があります。

緩衝材の特性を事前に知っておかないと、緩衝材をどの程度の厚みにすればいいのか、受け面積をどの程度確保すればいいのか、ということがわからなくなるためです。
ここで、緩衝材の特性は、クッションカーブと緩衝係数曲線があり、本記事ではクッションカーブについて述べます。

クッションカーブとは、横軸に静的応力、縦軸に最大加速度の関係図であり、JIS-Z-0235を実施することにより得られます。
このカーブと、製品質量、製品の許容加速度により、緩衝材の適切な厚みと面積が求まります。
(許容加速度については、後日書きたいと思います)

たとえば、下記のモデルケースの場合、
クッションカーブ条件:下図(JIS-Z-0235引用)
製品質量:10㎏
許容加速度:600m/s^2



許容加速度とクッションカーブより、最適な厚みを求めます。
許容加速度を下回る加速度で、一番薄い緩衝材を選択すると、厚みは3㎝となります。

さらに、3㎝時のクッションカーブの極小点※の静的応力(0.005MPa)と製品質量から、受け面積を計算します。
(※カーブの極小点を取るかどうかについては、設計思想に左右されます。
緩衝材の使用量を極力少なくしたい場合は、極小点より左側を取る場合や、高い落下高さが想定される場合は、極小点より右側が使われます)

計算方法は、下記です。
A=m/σ
A:受け面積、m:質量(N)、σ:静的応力(MPa=N/mm^2)

計算するとAは、
A=10×9.8/0.005≒2×10^3(mm^2)

となります。
(計算が間違っていればご指摘ください。)

川口

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