JIS-Z-0200が2013年に改正されたことは、以前、本ブログでも紹介しました。
そのときの記事はこちら
一方で、包装貨物の落下試験方法については、JIS-Z-0202に規格があり、ここでは方法Aと方法Bのいずれかによって行う。とされています。
方法Aとは、一般的な落下試験機を使った方法で、方法Bは衝撃試験装置を使った方法になります。
さて、方法Aについては、JIS-Z-0200に質量ごとの落下高さが決められていますが、方法Bに対する試験強さが記載されていません。
(確か、本改正前のZ-0200には付属書に掲載されていた気がするのですが、定かではありません)
それではどうやって、方法Bで落下試験を行えばいいのか??ということになるでしょう。
ここでは、JISに代わって(大げさですが)、方法Bで落下試験を行いたい方々へ、試験強さの設定方法について情報提供したいと思います。
方法Bの試験強さは、衝撃テーブル上に発生する衝撃加速度パルスの面積(通称、速度変化)によって決まります。
計算方法は、下記をご参照下さい。
ΔV=√2gh
※ΔV:入力速度変化(衝撃テーブルに発生させる速度変化)、g:重力加速度9.8m/s^2、h:自由落下試験に相当する落下高さ
例
自由落下試験(方法A)で80cmに相当する落下試験を、衝撃試験装置(方法B)で行う場合の入力速度変化は?
ΔV=√2gh=√(2×9.8×0.8)=3.96(m/s)
方法Bは、
・落下姿勢に対する精度が高い
・1パルス衝撃のみを純粋に評価できる(方法Aでは反発、転倒などで二次的な衝撃が加わってしまいます)
・衝撃試験装置があれば、衝撃強さ試験(JIS-Z-0119、損傷境界曲線作図)が実施できる
→適正包装に大きく寄与
など、メリットも多々ありますので、廃れてはいけない試験方法と認識しています。
今後も色々なセミナーなどで、啓蒙活動を行っていきたいと思います。
川口
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