振動試験には主に正弦波、スイープ、ランダムがあり、ランダム振動試験にはPSDが必要となります。
包装貨物試験のためのランダム振動試験を行うとき、より実態の輸送モードに近い振動を再現させようとする取り組みがあります。
例えば一般的にはトラック荷台上などで発生する実際の加速度波形を記録し、そのデータを振動試験に利用するなどです。
ここでは、PSD解析のための振動データ計測の考え方について述べます。
改めて、PSDとは、時系列加速度波形から解析されます。
このとき得られるPSDの周波数範囲、分解能は、この時系列加速度波形の収集方法に依存します。
PSDの下限周波数(一番低い周波数)は、1つの波形をどのくらいの長さで加速度波形を収集するかに関係し、上限周波数(一番高い周波数)は、加速度瞬時値のサンプリング間隔に影響されます。
例えば、加速度瞬時値のサンプリング間隔が1(ミリ秒)、1波形の時間間隔を2(秒)とすると、得られるPSDの周波数範囲は、0.5Hz~500Hzとなります。
下限周波数fminは時間の逆数なので、fmin=1/T=1/2=0.5Hz、
上限周波数はサンプリング定理より、fmax=1000/2=500Hzになります。
以上、PSDで周波数範囲が決められている場合は、どのような条件で加速度波形を計測するかに注意が必要です。
このような輸送時の振動解析を行う記録計は
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川口
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