2013年1月18日金曜日

適正包装の基礎知識(3)

今回は物品の価値・状態の数値化という点について述べます。

上の「数値化」という点に関して、ここでは製品強度に注目します。
製品に大きな力が加わると、破損に繋がることは容易に想像できますが、加わる「力」を加速度として「数値化」することが、ここでのポイントです。
さて製品強度についてですが、輸送包装として適正化を考えたとき、輸送される製品がどの程度の強度を有しているかということを知ることは、とても重要です。

壊れやすい製品であれば、緩衝材をたくさん使う(厚みを厚くする)必要がありますし、壊れにくい製品であれば、緩衝材は少なくて良いことになることは自明です。
さらに、事前に製品の壊れやすい部位が把握できれば、改善改良することで製品自体の強度UPと包装材料コスト削減に寄与します。

それでは具体的にどのように製品強度を数値化するか、ということですが、前回紹介したJIS-Z-0119「包装及び製品設計のための製品衝撃強さ試験」にその方法が規定されています。

当該試験方法では、衝撃試験装置と呼ばれる装置を利用して、製品に物理的な衝撃加速度を印加させ、製品が破損するときに発生した加速度の数値を読み取ります。

ここでは、以下の2回の衝撃試験が必要となります。

①許容速度変化試験
製品に対し、作用時間の短い(←ここがポイント。短ければ短いほど良い)正弦半波状の衝撃パルスを与える試験で、製品が破損したときの加速度の面積を許容速度変化(製品が破損する落下高さを推測するためのパラメータ)とする。

②許容加速度試験
台形パルス(←ここもポイント。理想的には矩形波)を用いて、製品が破損したときの加速度の最大値が、許容加速度(製品が破損するときの加速度)となります。

もう少し具体的な方法などについて、下記HPの技術情報に書いていますので、是非ご覧下さい。
神栄テクノロジーWebサイト技術情報
※IDとパスワードが必要なりますので、はじめての方はこちらからお問合せ下さい。無料です。

次回は、緩衝材の特性について書きたいと思います。

川口

0 件のコメント:

コメントを投稿