2014年2月4日火曜日

緩衝材料の特性② 緩衝係数曲線


前回に引き続き、包装用緩衝材の特性についてです。

緩衝設計を行う際のもう一つの指標として、緩衝係数があります。
緩衝係数Cは、落下試験での落下高さH、発生加速度G、緩衝材厚みTにおいて、

CH=GT

という関係があります。

したがって、必要な緩衝材厚みは、落下高さ、許容加速度、緩衝係数が既知であれば、T=CH/Gとして計算できます。
これより、緩衝係数は小さければ小さいほど、厚みが少なくて良い(効率的)となることがわかりますね。

さて、緩衝係数は緩衝材料の応力-歪曲線から導出することができます。
緩衝係数Cは、圧縮応力σと、その時の応力‐歪の面積εから、

C=σ/ε

として計算できます。

εは緩衝材の厚みと面積を掛け算すれば、緩衝材の吸収エネルギーに相当します。
応力は、加わる力Fと受け面積Aの比なので、F=ma=WG/Aとなり、質量がわかっていれば、加速度を求める材料になります。
(確認までに、Fは力、mは質量、aは加速度、Wは重量、GはGファクター、Aは面積です。)

緩衝係数曲線は応力-ひずみ曲線の時々刻々のσ、εから得られる数字を縦軸に、そのときの応力σを横軸にとると描くことができます。
上手くいくと、下記のような下に凸のグラフができます。(JIS-Z-0235引用)
細かい計算方法はJIS-Z-0235の付属書4に記載がありますので、ぜひご参照ください。


この図が得られれば、Cが一番小さいときの応力を採用し、許容加速度Gは既知なので、

σ=WG/A
A=WG/σ

より、緩衝材の使用面積が計算できますね。
厚みは冒頭に書いた通りです。

緩衝材料の動的圧縮試験には、きちんと試験装置が販売されていますことも付け加えておきます。

川口

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