2014年2月18日火曜日

包装貨物振動試験の基礎


包装貨物の性能評価項目には、振動試験があります。

振動試験の方法には、大きく以下の3つの方法に区分されます。

・正弦波試験
・掃引試験
・ランダム試験

従来、振動試験は正弦波試験、掃引試験が主流でしたが、JIS-Z-0200が2013年に改正された際、ランダム試験を優先的に採用するように変更されました。

ランダムと正弦波(掃引)との差は、加速度波形をある有限時間の範囲で切り取ったとき、正弦波であれば周波数と加速度が固定されており、ランダムの場合はその範囲で複数の周波数が同時に混在していることがあげられます。

つまり、ランダム試験は複数の周波数帯を含んでいるので、部品同士の同時共振を誘発することができ、実際の物流環境に近いモードを再現することが期待されます。

さて、正弦波、掃引試験を行う場合は、周波数、入力加速度レベルを規定すれば、試験できましたが、ランダム振動試験はどのように条件設定すればいいのでしょうか?

ランダム振動試験の試験指標は、パワースペクトル密度(PSD)が利用されます。
PSD導出の細かいことは、下記などご参照ください。

・斎藤勝彦、長谷川淳英、「輸送包装の基礎と実務」、幸書房
・神戸大学輸送包装研究室HPリンク
PSDはJIS-Z-0200にも記載があり、多くはこの条件で試験されることが多いと思います。

一方で、実際のトラック振動データを計測して、そのデータからPSDを導き出し、試験条件を作成する方法もあります。
その際、輸送環境記録計が使われます。

※JIS-Z-0232には、「可能な限り特定の計測データから得た加速度パワースペクトル密度で試験することが望ましい。」と記載されています。

川口

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